読書と思考

高橋リエ著「お母さん、私を自由にして!」は毒親擁護し過ぎ?

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毒母だった本人が書いた本

高橋リエ著「お母さん、私を自由にして!」を読みました。

一言で感想を言えば、内容は悪くないけど毒親本人が書いた本だなという感じです。

 

書いてある内容はためになることがたくさんありました。

今まで考えたことがないようなことも書いてあったので思考の幅が広がりました。

でも、最終的に母が毒親である理由を全て「不安だから」または「非常警戒態勢だから」ということに帰結させて、だから仕方ないという論調になっているように見えるんですよね。

だから書いてあることは参考にさせてもらうけど、著者のスタンスが好きになれないので微妙な、後味が悪い読後感が残ってしまいました。

 

参考になった点

毒親やその子供の感情がマヒしていることによってどのようなことが起こっていくのかが詳細に書かれていました。

記憶を簡単に変えることとか、自分ではわからないメカニズムは参考になりました。

感情がマヒしている人って、マヒしていることを自覚することすらできないですからね。

やっと自覚できたとしても、それによる弊害は思っている以上に多いんだろうなと感じます。

だから、毒親育ちが自分では気付きにくいことをわかりやすく語っているのはいいと思います。

やっぱり手持ちの思考材料だけじゃ足りないのが毒親育ちなんだなと思いました。

 

それから、毒親の6つのタイプで、ジャイアン母、かわいそうな母、パフォーマンス母、至れり尽くせり母、逃避母、自己愛母と6つの類型に分けているのは参考になりました。

普段、毒親の特徴なんて自分の親ぐらいしか思い浮かばないですからやはりカウンセリングをしている人は違うなあと思います。

 

正しいことを言っているけど、毒親育ちとしてはすっきりしない

この方自身、元毒親だと言っていますが、毒親が毒親であることの理由をしきりに強調してそれで終わってしまっている感があります。

現実的に毒親は変わりようがないのだとしましょう。

でも、だからといってそのままで許されるべきとは思えないし、なぜこちらから毒親の事情を察してあげなければならないのかわからないという気持ちになりました。

この著者は、毒親にされたことが深く心に刺さっている人の気持ちがわかっていないんじゃないかと思えてきます。

ある側面(毒親視点)から見た事実の反復が激しいので、この人が本当に言いたいのは「毒親を理解して許してあげて。そしたらあなたも幸せになれるよ」ということなのか?と思ってしまいました。

 

本としては難しい書き方でなく、実体験とリンクしていて理解しやすく、読みやすいです。

また、毒親のメカニズムを詳細にわかりやすく語ってくれています。

しかしそれも著者の話の持って行きかたによって、しれっと毒親育ちに対する毒親の立場を向上させようとしているようにしか見えず、結局は子供は毒親からの被害の受け損で終わるのかという気持ちになってしまいました。

もう少し毒親育ちの目線に立った言葉をかけてくれていれば印象も変わるのにな、とその辺りが残念に思います。

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